関東圏における農家キッチンカーの現状(東京農業大学:卒論)

2024/3/21(木)、この日は、いつもより少し早めの11:30から自宅横のパーゴラ下でたねやキッチンカーの営業をしていました。

この日は、久しぶりに農家グリーンカレーを販売したということもあり、いつもよりお客様の来店数も多く、バタバタしておりましたが、12時を過ぎた頃に、常連のお客様の後ろに、ニコニコと、あどけない笑顔の男の子。
「見た事ある・・・あ~~~!農大の!!!!」

その男の子は、昨日大学の卒業式で、今朝の5時まで友人とカラオケで遊んでいたが、今日、卒論のお礼で来ましたと、冊子を渡してくれました。

2023年に10月頃に卒論の為の調査について協力してほしいと連絡をしてきた男の子。

秋は、とにかくキッチンカーが一番忙しい時期という点や、ちょうどTBSのマツコの知らない世界の出演についても調整していた頃で、ちょっと余裕ないな~の時期でした。

なので、とても親切とは言えない感じで、ある意味、必要最低限で調査を終わらせてもらいたい気持ちで引き受けましたが、とにかく成島くん。真面目でした。

そして、くじけませんでした。

これまでに何度も言っている通り、私は長年IT業界(男性社会)で生きてきたので、男性慣れもしているし、さらには、女性と比べると男性に対しては、とても厳しく接します。

キッチンカーのお客様に、果敢にアンケートをお願いする姿は、とても素晴らしかったのですが、私へのアンケートも含めて、これって、どんな結論というか、調査の結果、どう納得する感じでまとめられるのかが、予測しずらいね。など辛辣な事を言っても。

彼はめげませんでした。にこにこ。にこにこ。

とにかく、システム屋の私は、目的を達成するために!結果を出す為に!必要となる項目の確認という形でしか調査をしないので、モヤモヤっとしたら、すぐに口に出す嫌なお局です。

でも、すごく沢山の文献を読み調べ、複数の農家キッチンカー、農家レストランからの聞き込みを踏まえた彼なりの論文は、「優秀卒論」として評価されたようです。

そして、健気に、卒業式翌日に、こんなところに、届けに来てくれるなんて・・・。泣ける。

卒業後の彼の就職先は奈良県にある「ナント種苗」とのことです。
素敵ですね。
私は、大根の事を調べて、やはり色々な情報を収集していた時に、どうしても品種によってなのか?不思議?と思う事については、その品種の種を販売している種苗会社へ、質問のメールを送る事があります。

種苗の研究は、とても興味のある一つでもあり、そんな種苗会社に働ける彼には、素敵な仕事をしてほしいし、いっぱいいっぱい疑問や、興味を広げて調べて、詳しくなってほしいです。

そして、ヘンテコババアが、メールを送って来た時に、今の種苗会社もとても親切ですが、同じように、親切に応えてくれるような人に成長してくれる事を願っています。

ITの頃は、どちらかというと、医療関連にかかわる事が多かったのですが、今、農家という仕事と、それに関連するあらゆる機関や企業など、まだまだ知らない事も、知ってびっくりすることも、刺激的で、楽しく過ごせていますが・・・。

何より、日本の若者が農業に真剣に向き合ってくれる日を願って、絶えず安全安心の農作物を食べれる未来のために、何か出来る事があれば、私も微力ながらがんばりたいです。

成島くん。

どうもありがとう。

キッチンカーってどうなの?(ぼやっと編)

農家の畑ごはん たねやキッチンカー!として開業する前は、IT系でXO-SYSTEM(クロスオーバーシステム)として仕事の依頼を個人事業主として請け負っておりました。
学校を卒業してからプロパーでシステム会社(ソフトハウス)に就職して、長年正社員として働いてきて、元安部総理の働き方改革が始まる前に社員としてではなく、自由な立場で仕事を請け負う事を選びました。

そういうわけで、キッチンカーを始めるまで、飲食業で働いたことは一度もありません。
アルバイトもしていないので、実は飲食業界の「当たり前」を何もしらずに自己流でスタートしています。

実は、近くに「のうえんカフェ」さんという大人気カフェがあるので、パートで働かせてもらおうかな~と思った事もあったのですが、知り合いの飲食店コンサルをしている人が、逆に「飲食業ってこんな感じなんだ」ってクセがつかない方がいい、本来システム業界などで培ってきた真面目さを武器に、自分で大事と思う事をきちんと守ってやった方がいいと思うとアドバイスしていただき、今に至ります。

確かに、IT業界の方が楽だと思われる方もいるかもしれませんが、常に最新技術について研鑽しつづけていかなければいけない業界であったことから、気を抜く事はないまま走り続けていました。

今も、そういう意味では、お客様の身体の素となるものを取り扱っているという責務から、気を抜く事ができない日々です。

今年の夏は、猛暑でキッチンカーの中は高温状態。
夜になると虫も入ってくる場所では、扉を閉め切って調理していたので、暑さに強い私でも結構過酷でした。

冬は冬でなかなか、温度が上がらないので、電力のやりくりが大変。お金をかけて蓄電池を追加しても、うまくやりくりしないと、温度調整ができる時間が限られてしまいます。

私個人的な考えですが、例えば、クレープなどは使い捨て容器などの経費を抑えられ、仕込みもご飯類に比べればラクな品目だと、経営としてうまくいく確率は高い方かもしれません。

また、カフェ系でドリンクが中心のキッチンカーも、めずらしく独創性の高いドリンクを販売すれば、1杯あたりの料金単価も少し上げられるでしょうし、需要の高い出店先を見つければ、なんとか軌道にのせていける確率が上がると思われます。

お店の数が圧倒的に不足するで都内のランチ需要のある場所や、大きなイベント出店の数をこなすことで、売上はあげられますが、本来、どういう形のキッチンカー販売を夢見ていたんだっけ?を見失う事になり、日々、ただただ機械のように販売することで心が疲弊していくかもしれません。

私は、キッチンカーを出店する際に5年間は、月に返済すべき額だけは、かならず稼ごう。(売上ということではなく、利益として)
そして、多くを求めず、姉崎大根を美味しく食べてもらって、知ってもらって、興味をもってもらえるぐらい余裕のある状態を維持しようと思っています。

夏は姉崎すいか、姉崎めろんを・・・。

農家が自家生産の野菜の良さをどうやって知ってもらえるか?感じてもらえるか?を一番に、そこはブレずにやっていこうと思っています。

次回は「キッチンカーってどうなの?(開業までの流れ準備編)」をアップしますね。

姉崎大根と5月で一旦お別れになっちゃうのぉ~

2023/5/12
昨早朝4時の千葉の地震怖かったですね~。
私は、柴犬と3匹の猫達と一緒に寝てたのですが、柴犬が一番怖がって震えてたので、寝ぼけながら抱き締めていたのですが。
何より、地震が富士山噴火の予兆にならない事だけを祈るばかりです。

千葉県深城の姉崎大根の育つ土には、火山灰も含まれている事から、噴火の際には、火山灰が千葉にも流れてくる可能性があるわけです。
路地栽培している多くの作物に一時的に影響があれば、災害直後は国内の農作物も不足するかもしれません。
灰によって太陽光パネルも汚れて、電力供給も減るでしょうし。

昨日の地震は、備えねば何があるか分からない心を呼び起こす揺れでした。
そして、5月の中旬にさしかかることで、姉崎大根の春収穫もそろそろ終わりに向かっています。たねや泉水農園は、まだ複数の畑に残っている状態ですが、お客様複数人から、いつまで大根料理販売できそうですか?って聞かれるようになりました。

お客様が、大根の収穫時期のことを気にして、料理の有無を確認してくれる!
すごくすごく嬉しいです。

地場野菜の旬を知ってくれるのは、農家としてはうれしいのです。

姉崎スイカ、姉崎メロンを待ってくださって「いつからですか?」と聞いてくださる方も多いのですが、去年は、うまくたの里(木更津)で販売している農家の売上No1になるぐらい人気も上がって!本当にうれしいです。

昔からのリピーターの方もすごく多く、購入してくださった方の口コミで、新しいお客様も増えて、姉崎スイカも、ユウカメロンも収穫したら、あっという間に売り切れてしまうようになったので、傷ありスイカを削りスイカ用に確保するのも大変です。

夏の暑い中でのたねやキッチンカー販売している。
削りスイカも、ず~~~~~~っと食べに来てくれるぐらいハマった人多かったです。

なんといっても、スイカそのものを凍らせて削っているので、健康に良いし、身体にいい栄養をそのまま食べれるので、知る人ぞ知るの1品です。

大根とスイカの合間には、姉崎ポテト(じゃがいも)料理がスタートできると思います。
畑で獲れたて新じゃがを、焼き芋器でゆっくりじわじわ焼く事で、でんぷんが糖質に変化するので、すんごく美味しいのです。

ぜひぜひ、農家の畑ごはん たねやキッチンカーで旬の畑ごはん食べに来てね!

※地元のマルシェなどには参加していますが、大きな都内のイベントや、大量のお弁当依頼など、お声掛けいただく事も多くなってきましたが、畑から収穫した野菜の仕込みも泥をおとして、洗うところからのスタートするので、一人で手間をかけた料理は、なかなか大量生産できないのです。
また、歳をとった両親のサポートもしながらなので、週に何度かなどのお弁当販売のご依頼も急な事情で出来ないとなると、ご迷惑をおかけすると思うので、請け負えないのです。

農家のおばさんが、若いころ、ITの仕事でバリキャリだったところから、丁寧に生きていく道に向かって進んだ結果なので、そういう道を選んだ人間の料理を食べたいという方に向けてのみ販売できればと思っています。

ただ、姉崎大根、姉崎スイカの美味しさを伝えられるようなイベントや、取材は受けておりますので、お声がけいただければ出来る範囲でがんばります。

今後、老後20年以上は、よっちゃんが頑張って農家をしてくれると思うので、ゆっくり、ゆっくりがんばります~。