キッチンカーってどうなの?(開業までの流れ準備編2)

2016年からスタートした、畑でのはねだしスイカやメロンのテント販売。
実は、大根は無人販売を行っていたのです。下記が当初2016年10月頃の無人販売の様子

※夏にスイカやメロンを販売していたテントの骨組み下に設している。確か、テントの屋根の部分は、風か雨で壊れてしまった。

※当初は、大根収穫時に規格外となって、はねられた大根を泥のまま置いてました。
なので、葉っぱは切ってありますが2022年からは、場所も風や日差しの影響が少ない場所に移動して、直売用に大根を洗う際に、一緒に洗って袋に入れて販売するようになりました。
下写真は2023年12月のもの

※料金箱は、当初から同じものを使っていて、かなり汚れて色を塗りなおしている。
また新聞紙を置いていた頃から比べて、保存袋に入れてあるのも改善している

この状態を2019年まで約4年ほど続けた結果、お客様が来てくれるようになったという結果を家族にプレゼンし、この土地に家を建ててもらい!水や電気が通ったところで、本格的に6次産業化へと進められるようになりました。
最初はカフェなどをオープンしたいという気持ちが強かったのですが、2019年9月に千葉県を襲った台風15号と10月の台風19号による被害を受け、建物だと壊されたらおしまいという場所だという事を思い知り、それなら移動して避難でき、万が一の大災害の時に、何かの役にもたてるかもしれないキッチンカーがいいかも!と閃き!

まずは、2020年2月にフードトラックカンパニー社が行っているキッチンカー開業セミナーに参加し、同時に、農林業振興課にも相談の上、MMAFの6次産業事業計画認定をとるべく申請を行う事にしました。

コロナの被害が少しずつ増えていく中、中目黒のフードトラックカンパニーでは、安全面を考慮した説明会を行ってくれて、キッチンカーが実際にこんな感じだよ!って事がわかるようなクレープ販売も行ってくれました。
この時にクレープの上にのっていた「おいり」が、香川県に住んでた私には、懐かしいのと、こういうアレンジって素敵だな~という思いでワクワクしたことを覚えています。

※セミナーを聞いた後に、食べられるクレープ最高!でした。@フードトラックカンパニー社前にて

セミナーの資料は、最初に開業するのに、不安な要素や必要な情報(適格な量)が資料としてまとめてあり、それを惜しげもなく配布してくれる上、その後のコンサル無料チケット(時間が決まっていましたが)もついていました。
私は、その後、そのコンサルチケットを使って、もう一度、中目黒に夫と言って、いろいろな話をしました。その時にも本当に親身で、なんでも相談できる!という頼りがいがあるものでした。担当者はKさん(女性)(後に、キッチンカーをオープンした際、会社の同僚の方と、わざわざ自宅出店時に食べに来てくれたんですよ~)

それから、2021年に実際にキッチンカーを注文できるまでの間に保健所の規定が変更され、キッチンカーに200ℓ(給排水)タンクを積めば、加工場が無くても、ある程度のお料理の提供が許されるという事で、急遽、フードトラックカンパニーさんは、軽トラの小さいキッチンカーでもタンクを設置できるものを販売可能にしていてくれたんです。

※2022年3月に納車してくれた際にフードトラックカンパニーさんが写真を撮影してくださいました。@フードトラックカンパニー社のホームページより転載しております。

それだけでも「神がかっている!」と驚きましたが。
私が6次産業の申請を通すには難関があり、まだ納品されていないキッチンカーが保健所のチェックをかならず通せるという証明書類を全て対応してくれたんです。
それにより銀行からの借り入れも、利息を安くしてもらえる融資が受けられる状態になり、もう一つの大問題。
オプションなどの装飾をお願いしているにもかかわらず、2022年3月の年度内に納車してもらわないといけないという期限までもクリア!!!!!

夢を叶える事は、その時に出会えたさまざまな人たちとの縁も大事だという事をつくづく感じずにはいられませんでした。

・農林水産省の担当者の方達も、千葉県の補助金担当の方、市原市、農林業振興課の方、フードトラックカンパニー担当者の方達、京葉銀行 姉崎支店の担当者の方、ビニールハウスを建ててくれた南総種苗の担当者の方、のぼり旗や垂れ幕などを担当してくれたデコラティブ株式会社の担当者の方などなど、かなりの無理難題を可能にしてくださったおかげで、今がある事に感謝です。

・また何よりも、私も認定農業者として登録をしてくださって、沢山のサポートをしてくれる、JA市原市農協、姉崎蔬菜組合の方々、たねや泉水農園の家族。

多くの方の努力や先人としての働きを決して裏切らない形で、今後も多くの人に美味しい野菜のメニューをお届けできるようにがんばります。

キッチンカーってどうなの?(開業までの流れ準備編1)

結婚の時、大根畑のその奥に、里山の風景が見える場所。
香川県の讃岐富士のふもとで育った私にとって、自然の中で過ごしたいという気持ちをずっと持ち続けていたので、主人に、ここに家を建ててほしい。と無理なお願いをしました。

とにかく、この場所が好きだったので、私は、結婚して2年目の夏から、畑の中にテントを立てて、スイカやメロンの販売を1日4時間行う事を始めました。

※2016年7月頃の写真、奥には台風で壊れる前の古い倉庫がありますが、自宅はまだ建ってないので、トイレは我慢。頼れるのは、自家用車のプリウスとテント。

あんな所で、お店をしても誰も買ってくれないのに・・・と呆れられていたのですが、少しずつお客様は来てくれるようになりました。

※2017年7月頃には、売り切れたのでスイカを追加しました~という内容がブログに更新されています。まずは、なるべく予算をかけずにスタートしてみてもいいかもしれませんよ!

キッチンカーは移動できる店舗です。
それにより、出店場所の確保も大事なのですが、農家がキッチンカーを始めるなら、農家だからこそ広い土地がいっぱいあるので、それを活かし、地元の方に、ここでは農家直売のものが買えますよ!という事を知ってもらって、そこでキッチンカー販売してみるのもいいかもしれません。

私は、この大好きな自然の中に、夢で見たような、なんだろう?というキッチンカーが時々出没する楽しさも叶えたかったので、キッチンカーをスタートする6年前から、この場所を開拓することに決めました。

農村が寂れるのではなく、農村を楽しんでもらえるような空間に変えたい。
あまり使われない道路を、使ってもらえる道路にしたい。
たまたま見つけるドキドキわくわくの小さな物語が、子供から大人まで・・・。

農家には、それが叶えられる、もともと恵まれた条件があるのではないかと思っています。
美味しくて新鮮な食材。
広くて車も停められる土地。
そして人間の本質として感じる懐かしさを感じられる里山風景。

※2015年からつらつらと個人的な情報ばかりをアップしつづけているブログ「大根の里」はここから飛べます。無料ブログなので広告が出てきて面倒くさい感じかもしれません。
なぜかインスタグラムで投稿した写真のリンクは外れているものが多いです。

では、次回は、ここから2020年2月になって「キッチンカー開業セミナー」へ参加したお話へ

キッチンカーってどうなの?(ぼやっと編)

農家の畑ごはん たねやキッチンカー!として開業する前は、IT系でXO-SYSTEM(クロスオーバーシステム)として仕事の依頼を個人事業主として請け負っておりました。
学校を卒業してからプロパーでシステム会社(ソフトハウス)に就職して、長年正社員として働いてきて、元安部総理の働き方改革が始まる前に社員としてではなく、自由な立場で仕事を請け負う事を選びました。

そういうわけで、キッチンカーを始めるまで、飲食業で働いたことは一度もありません。
アルバイトもしていないので、実は飲食業界の「当たり前」を何もしらずに自己流でスタートしています。

実は、近くに「のうえんカフェ」さんという大人気カフェがあるので、パートで働かせてもらおうかな~と思った事もあったのですが、知り合いの飲食店コンサルをしている人が、逆に「飲食業ってこんな感じなんだ」ってクセがつかない方がいい、本来システム業界などで培ってきた真面目さを武器に、自分で大事と思う事をきちんと守ってやった方がいいと思うとアドバイスしていただき、今に至ります。

確かに、IT業界の方が楽だと思われる方もいるかもしれませんが、常に最新技術について研鑽しつづけていかなければいけない業界であったことから、気を抜く事はないまま走り続けていました。

今も、そういう意味では、お客様の身体の素となるものを取り扱っているという責務から、気を抜く事ができない日々です。

今年の夏は、猛暑でキッチンカーの中は高温状態。
夜になると虫も入ってくる場所では、扉を閉め切って調理していたので、暑さに強い私でも結構過酷でした。

冬は冬でなかなか、温度が上がらないので、電力のやりくりが大変。お金をかけて蓄電池を追加しても、うまくやりくりしないと、温度調整ができる時間が限られてしまいます。

私個人的な考えですが、例えば、クレープなどは使い捨て容器などの経費を抑えられ、仕込みもご飯類に比べればラクな品目だと、経営としてうまくいく確率は高い方かもしれません。

また、カフェ系でドリンクが中心のキッチンカーも、めずらしく独創性の高いドリンクを販売すれば、1杯あたりの料金単価も少し上げられるでしょうし、需要の高い出店先を見つければ、なんとか軌道にのせていける確率が上がると思われます。

お店の数が圧倒的に不足するで都内のランチ需要のある場所や、大きなイベント出店の数をこなすことで、売上はあげられますが、本来、どういう形のキッチンカー販売を夢見ていたんだっけ?を見失う事になり、日々、ただただ機械のように販売することで心が疲弊していくかもしれません。

私は、キッチンカーを出店する際に5年間は、月に返済すべき額だけは、かならず稼ごう。(売上ということではなく、利益として)
そして、多くを求めず、姉崎大根を美味しく食べてもらって、知ってもらって、興味をもってもらえるぐらい余裕のある状態を維持しようと思っています。

夏は姉崎すいか、姉崎めろんを・・・。

農家が自家生産の野菜の良さをどうやって知ってもらえるか?感じてもらえるか?を一番に、そこはブレずにやっていこうと思っています。

次回は「キッチンカーってどうなの?(開業までの流れ準備編)」をアップしますね。